ドラムスティックの選び方

ドラム趣向

ドラムセットに向かうとき、最初に手に取るのはほとんどの場合「ドラムスティック」ですよね。
同じドラムでも、どんなスティックを選ぶかで音のニュアンスや演奏のしやすさが大きく変わります。
「とりあえず適当に選んでる」という人も、少しポイントを知っておくだけで、自分のプレイにぴったりな一本に出会いやすくなります。

1. まずは「素材」でキャラクターを知ろう
ドラムスティックの性格を大きく左右するのが「素材」です。
代表的なのは以下の3種類で、それぞれ音や耐久性、手触りが変わります。
ヒッコリー
多くの市販スティックに使われている定番材。ほどよい重さとしなりがあり、ジャンルを問わず使いやすい万能タイプです。
初心者~プロ問わず、まず試しておきたい素材です。
メイプル
ヒッコリーに比べて軽く、柔らかめ。繊細なタッチを出しやすく、長時間の練習や、ジャズ・ポップス・アコースティック系でしなやかなサウンドを求める人に向いています。
ただし、軽い分だけ耐久性はやや控えめです。
オーク
重くて硬く、スティック自体にパワーがあります。
強いアタック音やボリュームが欲しいロック、メタル、ラウド系のドラマーに人気。
その分、手や腕への負担も増えやすいので、握り方やフォームには気をつけたいところです。
自分がどんなジャンルを叩きたいのか、どれくらいの力感でプレイしたいのかをイメージしながら、素材を選んでみてください。

2. 太さ・長さで「コントロール」と「パワー」が変わる
同じ素材でも、「太さ」と「長さ」が変わるとドラムスティックの扱いやすさがガラッと変わります。
太さ(径)
・太め(例:2B など)
重さがあるぶん、一打ごとの音量が出しやすく、リムショットやハードヒットに向いています。
反面、手の小さい人や筋力に自信がない人には疲れやすく感じる場合も。
・細め(例:7A など)
軽くてスピーディーに振りやすいので、細かいフレーズやゴーストノートが多いプレイに合います。
音量は少し控えめになりやすいですが、コントロールしやすいのが利点です。
長さ
スティックが長いほど、遠くのシンバルに届きやすくなり、振り子の力も使えるため、パワー感が増します。
一方、短いスティックは手元のコントロールがしやすく、細かいニュアンスを出すのに向いています。
手の大きさや握り方、よく叩くジャンル(ライブ中心か、自宅練習中心か)などを踏まえて、自分の身体に無理のないサイズ感を選ぶと、結果的に上達もしやすくなります。

3. チップの形と素材で「音の輪郭」をデザインする
スティックの先端部分「チップ」は、ドラムスティックの中でも音色に直結するパーツです。
特にライドシンバルの音は、チップの違いがとても分かりやすく表れます。
形状の違い
ラウンド(丸型)
粒立ちがはっきりした、クリアで明るいサウンドが出やすい形。
ライドの「チーン」という輪郭が欲しい人におすすめです。
ティアドロップ(涙型)
接地面が広く、柔らかくもはっきりした音が出ます。
ドラムセット全体でバランスよく使える、オールラウンダー的なチップです。
バレル型
太くしっかりしたアタックが出やすく、ロック寄りのサウンドにマッチします。
シンバルを強く叩いたときの存在感を求める人に好まれます。
チップ素材
ウッドチップ(木製)
自然であたたかみのある音色。ジャンル問わず定番です。
ナイロンチップ
アタックがやや硬く、シャープで明るいシンバルサウンドが特徴。
摩耗しにくく、チップの欠けが気になる人にも向いています。
どんなシンバルサウンドが好きか、普段どれくらいの音量で叩くのかをイメージしながら、形と素材を選んでみましょう。

4. カタログだけでは分からない「フィーリング」を確認しよう
スペック表を見て選ぶことは大切ですが、最終的には「握ったときのしっくり感」がとても重要です。
楽器店に行ったら、ぜひ次のようなポイントをチェックしてみてください。
・実際に手に取って、重さやバランスを感じる
・軽く振ってみて、手首の可動域に合うか確認する
・可能ならパッドやスネアを叩いて、リバウンド(跳ね返り)の感覚を体験する
・左右のスティックの重さが極端に違わないか(ペアの個体差)を見る

同じモデル・同じ型番のドラムスティックでも、木材は一本ずつ性質が違うため、わずかな差があります。
気になるモデルは、何ペアか握り比べてみるのもおすすめです。

5. 最初の一本は「定番モデル」から始めるのが安心
これからドラムを始める方や、まだ自分の好みが分からない方には、まずは世界中で使われている「5A」や「7A」といった定番サイズのドラムスティックをおすすめします。
5A:バランス型。多くのジャンルに対応できるオールラウンダー。
7A:やや細身で軽く、コントロールしやすいサイズ。手の小さい人や、軽めの音楽にぴったりです。
定番モデルで一通り叩いてみて、「もう少し太い方が安心する」「もっと軽いほうが動きやすい」などの感覚が出てきたら、そこから自分専用の一本を探していくと、迷いにくくなります。

まとめ:ドラムスティックは「あなたのプレイスタイルそのもの」
ドラムスティックは、ただの消耗品ではなく、あなたのプレイスタイルを形にする大事なパートナーです。
素材・太さ・長さ・チップ形状・チップ素材など、ちょっと意識して選ぶだけで、叩いたときの気持ちよさや表現の幅が大きく変わります。

次に楽器店へ行くときは、ぜひいくつか違う種類のドラムスティックを手に取って、「この重さ、しっくりくるな」「このチップの音、好きかも」と、自分の感覚を頼りに選んでみてください。
自分の手にフィットする一本と出会えたとき、ドラムがもっと自由で、もっと楽しいものになっていきます。
 
ドラムスティック
 

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