ドラムセットの基礎知識と、失敗しない選び方を解説します。
これからドラムを始める方はもちろん、「そろそろ自分のセットが欲しい」「買い替えたい」という方の判断材料になる内容を意識してまとめました。
ドラムセットとはどんな楽器か
ドラムセット(ドラムキット)は、元々は別々の打楽器だったものを、1人のドラマーが同時に演奏できるようにまとめたセットです。
ロック・ポップス・ジャズ・ファンクなど、あらゆるジャンルで「バンドの土台」を支える重要な役割を担います。
般的なドラムセットの構成は、次のようなパーツで成り立っています。
「バスドラム(キック)」
足でペダルを踏んで鳴らす一番大きな太鼓。
ビートの「ドン」という低音を担当し、曲全体のノリや迫力を決める中心的な存在です。
「スネアドラム」
シャープで抜けの良い音が出る、ドラムセットの“心臓”ともいえる太鼓。
「タン」「パスッ」という音で、リズムの輪郭を作ります。
「タムタム(タム)」
中音域を担当する太鼓。通常2〜3個で、高さの違う音を使い分けます。
フィルインやフレーズのつなぎでよく使われ、ドラマーの個性を出しやすいパーツです。
「フロアタム」
床置きタイプの大きめのタム。
低めの音で、盛り上がりのフィルや重厚感を出したいときに活躍します。
「ハイハットシンバル」
ペダルで開け閉めできる2枚1組のシンバル。
チッチッという刻みから、ジャズのような細かなニュアンスまで、リズムの表情を作る鍵となるシンバルです。
「クラッシュシンバル・ライドシンバル」
クラッシュシンバルは「ジャーン」と派手に鳴らしてアクセントを付けるためのシンバル。
ライドシンバルは、曲の中で「チンチンチン」と細かく刻み、安定したリズムをキープする役割を担います。
このほか、上達してからはスプラッシュシンバルやチャイナシンバル、サブスネアなどを足して、自分だけのドラムセットにカスタマイズしていきます。
ドラムセットの選び方:押さえるべきポイント
ドラムセットの選び方は、「何をしたいか」「どこで叩くか」によって大きく変わります。
ここでは、初めて購入する人にも分かりやすいように、重要なポイントごとに整理します。
1. 目的をはっきりさせる
まず、「どういうシーンで使うのか」を決めておくと、選び方がぐっと楽になります。
「完全初心者・これから始める人向け」
・基本的な構成がそろったエントリーモデルのドラムセットが最適です。
・価格も比較的抑えられており、必要最低限のパーツが一式になっているため、「何を買い足せばいいか分からない」という心配が少なくなります。
「ライブでの使用を視野に入れている人」
・音量・耐久性・セッティングのしやすさを重視した、中級クラス以上のモデルがおすすめです。
・ハードウェア(スタンド類)の頑丈さも、長く使ううえで重要なポイントになります。
「レコーディングや本格的な音作りをしたい人」
・シェル(胴)の材質やサイズによって音色が大きく変わるため、音のキャラクターを重視して選ぶのがポイントです。
・ミドル〜ハイエンドクラスのドラムセットを選ぶと、録音したときの音の抜けや表現力が大きく向上します。
2. アコースティックドラムか電子ドラムかを選ぶ
ドラムセットの選び方で、多くの人が最初に迷うのがここです。
「アコースティックドラム」
・生の振動と空気感が魅力で、ライブハウスやスタジオの本格的な音を体験できます。
・一方で音量が非常に大きく、自宅練習には防音・防振対策がほぼ必須です。
・「バンドでライブをすることが前提」「音量を出せる環境が既にある」という人に向いています。
「電子ドラム」
・音量をコントロールでき、ヘッドホン練習ができるため、マンションやアパートでも導入しやすいのが長所です。
・多彩なドラム音色を切り替えられるので、いろいろなジャンルを試したい人にも向いています。
・打感はアコースティックとやや異なるものの、「まずはリズム感を身につけたい」「基礎練習をしたい」という用途にはとても便利です。
自分の住環境や、どこまで生音にこだわるかを基準にして選びましょう。
3. サイズと設置スペースをチェックする
ドラムセットは想像以上にスペースを必要とします。
購入前に、必ず次の点を確認しましょう。
・ドラムを置く部屋の縦横のサイズ
・椅子に座ったときに、周囲に十分な余裕があるか
・収納や移動を考える必要があるか(ワンルームなど)
初心者向けのドラムセットでも、畳1.5〜2畳分程度は見ておくと安心です。
スペースに余裕がない場合は、コンパクトなサイズのセットや電子ドラムも選択肢に入れて検討すると良いでしょう。
4. ブランドと価格帯を比較する
ドラムセットの選び方で外せないのが「どのブランド・どのランクを選ぶか」です。
ここでは、代表的なブランドと大まかな目安を挙げます。
「初心者向けの人気ブランド・シリーズ」
・YAMAHA「Rydeen」
・Pearl「Roadshow」
・TAMA「Imperialstar」
いずれもコストパフォーマンスが良く、初めての1台として十分なクオリティがあります。
「中級〜上級者向けの代表的ブランド」
・Ludwig
・Gretsch
・DW(Drum Workshop)
これらのブランドの中〜上位モデルは、音質や仕上げ、耐久性などすべての面で高い評価を得ています。
本格的にドラムを続ける予定があるなら、長期的な投資として検討する価値があります。
価格は、エントリーモデルのセットで数万円台〜、中級クラス以上になると十万円台〜が目安です。
5. シンバル選びも重要
ドラムセット本体と同じくらい、音への影響が大きいのがシンバルです。
セットに付属しているシンバルは、最低限のグレードであることも多く、こだわるなら別途の購入・グレードアップも視野に入れましょう。
代表的なシンバルブランドとしては次のようなものがあります。
「パイステ(Paiste)」
明るく抜けの良いサウンドが特徴で、ロックやポップスで高い人気があります。
上位シリーズは、ライブでもレコーディングでも使われるプロ仕様の音質です。
「ジルジャン(Zildjian)」
シンバルの老舗ブランドで、ジャズからロックまで幅広いラインナップを持っています。
シリーズによって性格がかなり異なるため、自分の好みの音を探す楽しさもあります。
シンバルは、後から少しずつ買い足したり、グレードアップしたりしやすいパーツなので、最初は必要最低限から始めて、耳が育ってきた段階でこだわっていくのも良い選び方です。
まとめ:自分のスタイルに合ったドラムセットを選ぼう
ドラムセットは、ただ叩くだけでなく、バンドやアンサンブルの土台を支えるとても重要な楽器です。
選び方のポイントは、
・何を目的に使うのか(練習・ライブ・レコーディング)
・アコースティックか電子ドラムか
・自宅のスペースや音量問題
・ブランド・価格帯のバランス
・シンバルなど周辺パーツのグレード
といった点を総合的に考えることです。
最初はシンプルな構成のドラムセットから始めて、必要に応じてパーツを追加したり、シンバルをグレードアップしたりしながら、自分だけの理想のセットに育てていくプロセスもドラムの楽しみのひとつです。
自分の演奏スタイルと環境に合った1台を見つけて、長く付き合っていけるドラムセット選びをしてみてください。
「ドラムセット」