ナンキンハゼ(南京櫨)は、トウダイグサ科ナンキンハゼ属の落葉高木で、学名は「Triadica sebifera」として知られています。
街路や庭、さらには公園の樹木として広く栽培されており、初夏には小さな花を咲かせ、秋には丸い実が熟し、中から白っぽい種(蝋質の被膜を持つ種子)が顔を出すのが特色です。
葉は互生で単葉、先端が尾状に尖った卵形から楕円形に変化し、若葉は緑色を呈し、秋には赤、黄、紫が混じり合った鮮やかな紅葉を楽しめます。
樹皮は灰褐色で、割れやすく、樹形は急成長するため、非常に存在感があり、果実は秋に球状に実り、中の白い蝋質(ロウ)に包まれた種子が特徴的で、かつては蝋や石鹸の製造に使用されてきた歴史があります。
ナンキンハゼの最大の魅力は「四季折々のドラマティックな表情」です。
初夏の控えめな花から、秋の華やかな紅葉、そして白い種子が弾ける果実に至るまで、一年を通じて高い観賞価値を持ち、特に秋の紅葉は温暖地域でも鮮やかに色づき、街角や庭を彩ります。
また、実から得られる蝋質は伝統的に価値ある資源として利用されてきた文化的・実用的な側面もあり、美しさだけでなく歴史や生活とのつながりも感じられます。
ナンキンハゼは成長が早く、寒さや暑さにも比較的強いので、庭や広いスペースに植え付けやすいです。
日当たりが良く、排水の良い地を好み、植えた後は過度の手入れが必要ありませんが、樹形やサイズを管理したい場合は、若いうちに剪定を行うことで扱いやすくなります。
街路樹や公園樹としての用途、観賞用、さらには種子から得られる蝋を生かした伝統的な利用まで、多方面で活用できる点も魅力になっています。