再エネ賦課金って何?

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再エネ発電促進賦課金って、結局なんのお金?

電気料金の明細をじっくり見てみると、「再エネ発電促進賦課金」という聞き慣れない項目が載っていることがあります。
「再生可能エネルギーのため」と言われても、具体的に何に使われているのか、いまひとつイメージしづらい人も多いはずです。
ここでは、この「再エネ発電促進賦課金」がどんな仕組みで、なぜ私たちが支払っているのかを、できるだけかみ砕いて説明していきます。

再エネ発電促進賦課金とはどんな仕組み?
「再エネ発電促進賦課金」は、その名のとおり、再生可能エネルギー(太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなど)による発電を後押しするために、電気利用者から集めているお金です。
日本には「固定価格買取制度FIT)」という制度があります。これは、家庭や事業者が再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定期間、あらかじめ決められた価格で買い取ることを国が約束する仕組みです。
ただし、その買い取り費用をすべて電力会社だけが負担すると、経営が成り立ちません。
そこで、そのコストを全国の電気利用者が「再エネ発電促進賦課金」という形で少しずつ負担し、電気料金に上乗せされているのです。

いくらぐらい支払っているの?
毎月どのくらいの金額を負担しているかは、「再エネ賦課金単価」と電気の使用量で決まります。
「再エネ賦課金単価」とは、1kWhあたりいくら上乗せされるかを示す金額で、年度ごとに見直されます。
例として、月に300kWh使う家庭を想定してみましょう。
2025年度の再エネ賦課金単価は1kWhあたり3.49円なので、
300kWh × 3.49円 = 1,047円
この場合、その家庭は毎月の電気代とは別に、約1,047円を再エネ発電促進賦課金として支払っている計算になります。
「こんなに払っていたのか」と感じる人がいても不思議ではありません。

なぜここまで負担が大きくなってきたのか
再エネ発電促進賦課金が増えてきた背景には、固定価格買取制度(FIT)の拡大があります。
FITが2012年に本格的に始まって以降、特に太陽光発電の導入が急速に進みました。家庭用の屋根のソーラーパネルだけでなく、広大な土地に設置されたメガソーラーなど、大規模な発電所も増加しました。
その結果、電力会社が高い固定価格で買い取らなければならない再生可能エネルギーの量が増え、買い取り総額が膨らんでいます。その費用が最終的に再エネ発電促進賦課金として電気利用者に広く転嫁されてきたため、「思ったより負担が重い」と感じる状況になっているのです。

新しい仕組み「FIP制度」と今後の方向性
こうした課題を踏まえ、日本では2022年度から「FIP制度フィード・イン・プレミアム)」も導入されました。
FITが「決まった価格で買い取る」仕組みなのに対して、FIP制度は、市場価格に「プレミアム(上乗せ額)」を足して支援する方式です。
発電事業者は電力市場で売電しつつ、差額分の補助を受けるイメージで、再エネを市場原理により近づけていく狙いがあります。
このFIPへの移行が進めば、再エネ賦課金単価の上昇を抑えたり、将来的に負担を軽減したりする効果が期待されています。
ただし、既にFITで認定された設備も多いため、すぐに賦課金がゼロになるわけではなく、しばらくは一定の負担が続くと見込まれています。

それでも再エネ発電促進賦課金が存在する理由
家計にとって負担であるのは事実ですが、再エネ発電促進賦課金にはいくつかの重要な役割があります。
・化石燃料への依存を減らし、CO₂排出量を抑制する
・輸入燃料に頼りすぎないことで、エネルギー安全保障を高める
・再生可能エネルギー関連の産業・雇用を育てる
・長期的には、技術の進歩や設備コストの低下を通じて電力コストの安定化につなげる

つまり、目先のコストを多少負担することで、将来の環境問題やエネルギーリスクを軽減しようとしている「社会全体の投資」とも言えます。

明細の小さな項目がつくる大きな変化
電気料金の明細に並ぶ「再エネ発電促進賦課金」の数字は、一世帯あたりで見れば数百円〜千円前後ですが、日本中の家庭や企業を合計すると、その金額は非常に大きくなります。
その資金が、固定価格買取制度(FIT)を通じて再生可能エネルギーの普及を支えているわけです。
知らないうちに払わされているお金、と捉えることもできますが、視点を変えれば「自分も再エネの拡大に参加している」とも考えられます。
明細の中の「再エネ発電促進賦課金」という一行は、クリーンな電力システムへと移行していくための、私たち一人ひとりの小さなチケットのようなものだと言えるかもしれません。

再エネ発電促進賦課金は、わかりづらくて、時に「余計な出費」に感じる項目ですが、その裏には再生可能エネルギーの普及と、将来のエネルギーをどうしていくかという大きなテーマが隠れています。
明細書を手にしたとき、その背景を少し思い出してみると、お金の意味合いが少し違って見えてくるはずです。
 

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