危険物保安統括管理者とは、大量の第4類の危険物を取り扱う事業所で、危険物の保安に関する業務を全般に統括管理する者をいいます。資格は特に定められていません。
| 〈危険物保安統括管理者等の権限等〉 | |||
| 権限・役職は | 資格は | 給油取扱所に必要か | |
|---|---|---|---|
| 危険物保安統括管理者 | 部 長 | X | X |
| 危険物保安監督者 | 所 長 | 甲種、乙種 | 〇 |
| 危険物取扱者 | 中堅社員 | 甲、乙、丙 | 〇 |
| 危険物施設保安員 | 新入社員 | X | X |
| ※権限・役職は、給油取扱所(ガソリンスタンド)を想定したものです。 | |||
【所有者等の責務】
① 製造所等は、常に安全な状態が維持され、災害の防止が図られなければならない。そのために、すべての製造所等の所有者、管理者等は,製造所等の位置、構造及び設備を技術上の基準に適合するように維持管理する義務がある。
② 市町村長等は、製造所等の位置、構造及び設備が技術上の基準に適合していないときには、修理、改造、移転を命じることができる。
③ 製造所等において危険物の流出、その他の事故が発生したときは、危険物の拡散防止及び除去、その他災害発生防止のための応急措置を講じなければならない。
危険物保安統括管理者は、同じ事業所内で多量の第4類危険物を扱う際に事業所全体の安全業務を管理する責任者であり、選定・解任の届出義務がある重要な役割です。
危険物保安統括管理者は、事業所内全体の危険物の安全管理業務を統括する人物を指します。
特に資格要件は定められていないため、危険物取扱者の免許が必須とは限りませんが、事業における管理責任を担える者を選ぶ必要があります。
どの事業所で選定が必要かは、主に第4類危険物の扱い量によって決まっており、製造所や一般取扱所では指定数量の3000倍以上、移送取扱所では指定数量以上という基準が適用されます。
これらの基準は自衛消防組織の編成要件と一致しています。
日常的な業務としては、安全監督者や施設保安員との連携・指導、安全規程の整備と実施、従業員への安全教育の実施が挙げられます。
さらに、火災や漏洩などの災害発生時には、事業所全体の指導を行い、消防機関などへの通報や応急措置の指示をする役割も果たします。
また、定期的な点検や記録の管理、安全講習の受講管理、関連施設や取引先との連絡調整、法令に基づく文書作成・報告などの事務業務も重要です。
これらは、安全体制を維持するための持続的な業務であり、実務的な運用が求められます。
統括管理者は資格要件が厳密に決まっているわけではありませんが、現場の実務と法律の知識を兼ね備えた判断力と指導力が不可欠です。
日常から安全意識を高め、関係者との密な連携が安全保障の基盤となります。