危険物取扱者の免状は甲種、乙種、丙種の3種類があり、全国で有効です。
① 危険物取扱者とは、危険物取扱者試験に合格し、都道府県知事から免状の交付を受けた者をいう。
② 危険物取扱者の免状は甲種、乙種、丙種の3種類があり、全国で有効である。
③ 危険物の取扱いは、危険物取扱者が行う。危険物取扱者以外の者は危険物取扱者が立ち会って行うが、丙種は立会いができない。
| 【免状の種類と取扱作業の内容等】 | ||||
| 免状の種類 | 取扱作業 | 立会い | 危険物保安監督者に選任される資格 | 定期点検 |
|---|---|---|---|---|
| 甲種 | 〇 全類(1~6類) | 〇 全類(1~6類) | 〇 実務経験6か月以上 | 〇 点検の実施と立会い |
| 乙種 | 〇 指定された類(注:1) | 〇 指定された類(注:1) | 〇 実務経験6か月以上 | 〇 点検の実施と立会い |
| 丙種 | 〇 指定された危険物(注:2) | X | X | 〇 点検の実施と立会い |
| 注1:「指定された類」とは、免状に記載されている類をいう。 注2:「指定された危険物」とほ、ガソリン、灯油、軽油、第3石油類(重油、潤滑油及び引火点が130℃以上のもの)、第4石油類及び動植物油類をいう。 |
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① 危険物の貯蔵、取扱いの技術上の基準を道守し、安全の確保について細心の注意を払うこと。
② 危険物取扱者(甲種、乙種)が危険物の取扱作業の立会いをする場合は、取扱作業に従事する者が貯蔵又は取扱いの基準を道守するように監督するとともに、必要に応じてこれらの者に指示を与えなければならない。
危険物取扱者は、化学薬品やガソリン、灯油、塗料などの「危険物」を安全に管理するために設けられた国家的資格です。
消防法に基づくこの資格は、特定の量以上の危険物を取り扱う事業所においては、資格を持つ者の配置や点検・安全管理が法律で定められているため、工場、ガソリンスタンド、塗装業、製薬および化学製造の現場など広範囲で需要があります。
資格は主に甲種、乙種、丙種の三つに分類され、乙種は1類から6類までの区分があり、甲種を取得すれば全類の取り扱いが可能ですが、乙種は各類で扱える危険物が異なるため、自らの業務に応じた選択をして受験するのが一般的です。
資格を持つことで、現場において重要な役割を与えられ、法的な監督や点検業務に携わる機会が増加します。
例えば、甲種保持者は大規模施設での安全管理者として起用されることが多く、乙種でも担当する危険物の管理や取り扱い手順の策定、従業員教育などの重要な役割に関与することができます。
この資格は、就職や転職の際にしばしば評価され、現場で即戦力として役立つ傾向があります。
試験は主に学科で構成されており、危険物の特性(引火性、発火性、酸化性など)、物理化学の基本、消防予防や消火方法、関連法令などが出題されます。
乙種ではそれぞれの類によって出題範囲が異なるため、受験する類に応じた学習が必要です。
合格には、過去問題を繰り返し解く実践的な対策と、危険物の特性や消火理論などの基礎知識の理解が重要で、短期間で合格する人もいれば、実務経験を通じて段階的に資格を取得する人もいますので、学習計画は仕事や生活のリズムに合わせて無理のないペースで進めることが推奨されます。
現場での安全管理においては、単に資格を有するだけでなく、日々の点検、保管方法の徹底、教育記録の整備、異常時の初期対応及び連携体制の整備が重要です。
危険物は少しの不注意でも大事故につながるため、資格取得後も最新の法令や技術、消火器具の使い方などを定期的に学び続ける姿勢が求められます。
資格は安全を保つための助けとなり、現場で生かすための知識と態度を育むことが本来の目的です。
最後に、これから試験を考えている方へ。
まず、自分の職場で扱う危険物の類を確認し、必要な種別から学習するのが効率的です。
過去問題を中心に反復練習し、理解が不十分な分野はテキストや実務で補強することで合格率が大幅に向上します。
資格を取得すると現場での責任とやりがいが増し、その反面、安全への意識も高まりますので、学んだ知識を大切にし、現場でしっかり活かしていただければと思います。