第二十条(管理所有者の権限)

(区分所有法)第一章 建物の区分所有
【第二十条】

第十一条第二項の規定により規約で共用部分の所有者と定められた区分所有者は、区分所有者全員(一部共用部分については、これを共用すべき区分所有者)のためにその共用部分を管理する義務を負う。この場合には、それらの区分所有者に対し、相当な管理費用を請求することができる。
 
2 前項の共用部分の所有者は、第十七条第一項に規定する共用部分の変更をすることができない。

 

解 説

共用部分は区分所有者の共有になる、という大原則に対して、規約で区分所有者の一人を共有部分の所有者とすることができます。この人を管理所有者と言います。この点については以前、区分所有法第11条のご説明の中で触れさせていただきました。
この場合、その管理所有者は、所有者としてできることは何をやっても良さそうにも思えます。これは、あなたの携帯電話をあなたが自由に使っていいのと同じように、共有部分を好きなように使っていいように思える、ということです。
 
実際には、共有部分、つまり廊下等を誰かが勝手に使っては困ります。自分以外が通れないようにされてしまうと、他の区分所有者は大迷惑です。
そのため、区分所有法20条では、管理所有者は、共有部分を区分所有者全員のために管理する義務を負う、とされています。共有部分が一部の区分所有者しか使わない部分であれば、その使う一部の区分所有者のために管理する必要があります。
管理するとは以前、ご説明したとおり、3つに分けられますが、この内、重大な変更は共有部分の所有者には行えないことになります。
 
またそれ以外の保存行為、重大ではない変更は管理所有者が行えます。この場合の費用は一義的には管理所有者が負担することになります。例えば、掃除業者に廊下の掃除を依頼する場合、契約は掃除業者と管理所有者との間で締結されるからです。この分の費用については後から、区分所有者全員から回収することができることになります。

 

POINT

第20条において、区分所有法はマンション等における「特定の区分所有者が共用部分を所有する際の管理ルール」を定めています。
規約において共用部分の所有者とされた区分所有者は、その共用部分を維持・管理し、必要な管理活動を遂行する責任があります。
特筆すべきは、管理に関して「適当な費用を他の区分所有者に請求できる」という点です。

ただし、ここでの管理権には限界があります。
第20条第2項では、共用部分の「重要な変更(第17条に定義される変更)は単独では実施できない」と明記されており、重大な変更は集会の決議など他の手続きを要します。
一方で、日常的な保存行為や狭義の管理行為、軽微な変更は、管理所有者によって行われることが想定されています。

第20条の主要な要点は、「管理所有者」が規約により共用部分の所有者と指定された区分所有者を指すことで、特定の区分所有者が共用部分の所有を認められると、その人が共用部分を維持・管理する主体となります。
この点において、規約の記載が実務上の扱いに大きく影響するため、規約の文言を確認することが重要です。

次に、管理所有者の義務には「保存行為や日常的な管理、軽微な変更の実施」が含まれますが、これらは区分所有者全体の利益のために行われるべきです。
その一方で「重要な変更(共用部分の大幅な改変)は管理所有者が単独で行うことはできない」と明確に制約されています。

費用負担については、管理所有者はその管理に必要な「適切な管理費用を他の区分所有者に請求できる」とされています。
つまり、管理行為に伴う合理的な費用は共有者間で負担される仕組みです。

最後に実務的な注意点として「規約と集会の決議の関係を整理すること」がトラブルの予防に直結しますので、規約で所有が認められる場合、管理範囲、費用負担、変更手続を明確に定めておくことをお勧めします。

 

関連記事

デジイチ写真

TOP
CLOSE