製造所等の構造と設備の基準【5】

危険物に関する法令

販売取扱所は「保安距離」「保有空地」は不要です。 ただし、店舗は建築物の1階に設置しなければなりません。

販売取扱所

位置・構造・設備等
店舗は建築物の1階に設けること。(2階には設置できない。)
② 危険物を配合する室を設けることができる。
③ 販売取扱所の区分
第1種販売取扱所‥ 指定数量の倍数が15以下
第2種販売取扱所‥ 指定数量の倍数が15を超え40以下

窓の位置
・第1種販売取扱所‥ 窓を設けることができる。位置は限定されていない
・第2種販売取扱所‥ 窓の位置は、延焼のおそれのない部分に限り設けることができる

取扱いの基準
容器に収納し、容器入りのままで販売すること。→ 顧客が持参した容器に入れる等小分けして販売してはいけない

標識・掲示板

【標 識】
① 製造所等  幅0.3m以上 長さ0.6m以上 色は地を白色で文字を黒色
② 移動タンク貯蔵所 0.3m平方~0.4m平方 地が黒字の板に黄色の反射塗料で「危」と表示し 車両の前後の見やすい箇所に掲げる。

危険物の性質に応じた注意事項を表示した掲示板
火気厳禁と表示する危険物(他は省略)
・第2類の引火性固体(固形アルコール等)・第4類すぺて
・第5類すべて

製造所等総合

製造所等の容量制限
① 屋外タンク貯蔵所 容量制限なし
屋内タンク貯蔵所 指定数量の40倍以下。第4石油類、動植物油類以外の第4類は、20,000ℓ以下
③ 地下タンク貯蔵所 容量制限なし
④ 簡易タンク貯蔵所 600ℓ以下 タンクは3基以内
移動タンク貯蔵新 30,000ℓ以下
⑥ 給油取扱所の専用タンク 容量制限なし
⑦ 販売取扱所
第1種販売取扱所‥ 指定数量の倍数が15以下
第2種販売取扱所‥ 指定数量の倍数が15を超え40以下
 

販売取扱所とは、容器内の危険物をそのまま販売する施設を指し、小分け販売は禁止されており、指定された数量に基づいて第1種と第2種に分類されるため、最初に自施設がどの分類に該当するかを慎重に確認する必要があります。

店舗内に販売取扱所を設置する場合、店舗と配合・保管を明確に区分けし、火災の延焼や危険物の漏出を防ぐための安全距離や隔壁、防火構造を優先的に考慮して計画してください。

耐火性能や使用する材料の選定は、単に鉄骨や鉄板を利用するだけでは不十分で、所定の耐火構造や不燃材料の基準に適合する必要があるため、壁や間仕切り、窓ガラスなどの仕様を設計段階で法令や消防通達と照らし合わせて決定することが重要です。

床は漏洩時に危険物が外部に流出しないように傾斜や堰を設けたしくみにし、蒸気が滞留する可能性がある場合は局所排気や強制換気を計画し、蒸気対策を行うことが非常に重要です。

出入口や動線については、来店者および従業員の避難経路を最短かつ理解しやすく確保し、出入口の敷居の高さや床の仕上げなどの詳細にも基準が設けられていることを図面作成時に見落とさないようにしてください。

それぞれの自治体や消防署によって運用の解釈や審査の焦点が異なるため、設計を開始する前に図面や仕様を持参して事前相談を行い、審査で指摘されがちなポイントを把握しておくことでやり直しを減らすことができます。

日常の運用では、在庫管理で指定数量を越えないようにし、危険物の表示と安全教育を徹底し、緊急時の初期対応や消火設備の点検を定期的に実施するなどの基本をしっかりと守ることで事故のリスクを低下させられます。

関連記事

デジイチ写真

TOP
CLOSE