エレベーターで百貨店の最上階に着いた瞬間、広々とした大食堂が目の前に広がり、ガラス窓から見えるパノラマのような街並みと人々のざわめきが心地良かったのを覚えています。
そこは、ふわりと漂うスープにカレーやカスタードプリンのカラメルソースの香りが鼻をくすぐり、大人から子供まで楽しめる、昭和の優しい空間でした。
自販機で食券を買って広いテーブルに座ると、すぐに、パイピングの入った白いエプロンが映えるウエイトレスさんがやって来ました。
温かな笑顔で「かしこまりました」と言いながら、厚紙の食券をスッと片手でちぎり取る動きに感心しながら、注文したメニューを待っている時間がとても楽しかったです。
注文メニューを待ってる間に周りを見渡すと、窓際には家族3代、ビジネス関係者、友人同士が休日を楽しんでいる姿が見受けられました。
常連客が静かに新聞を読んでいたり、デート中のカップルがアイスを分け合って楽しそうに笑っている様子も目に入りました。大食堂のテーブルの間隔は広めであり、会話も自然に盛り上がるみたいです。
程なくして、ウエイトレスさんが「お待たせしました」と差し出したのは、いつの時代も大人気の「お子様ランチ」です!
ワンプレートのお皿に並んでいるのは、可愛い旗が立ったライス、オレンジ色のナポリタン、金色のオムレツに緑の野菜と黄色いコーン。そして、小さなプリンが締めくくりのデザートで、宝石箱のような彩りに心が高鳴りました。
その「お子様ランチ」を食べている最中、奥の方の厨房からは、フライパンがジュッと音を立てる音、鍋蓋の金属音や客席を行き交う人たちの足音やトレイのカタカタ音がフロア全体に響きわたり、隣のテーブルでは彩り豊かな食器の上で、フォークとナイフが軽快にリズムを刻んでいました。
またこの喧騒に身をゆだねたくなるような、次に訪れるのが待ち遠しいような、そんな余韻を残す、百貨店の大食堂の懐かしい想い出です。