アガパンサス(和名:紫君子蘭)は、南アフリカ発祥の多年草で、学名はAgapanthus、英名ではAfrican lilyやLily of the Nileとして知られており、初夏から夏にかけて、涼しげな青紫や白の球状の花を高い花茎にまとわせ、目を引く存在です。
鉢植えや切り花としても重宝され、公園の植栽にも広く使われるほど、耐暑性や耐寒性に優れた、扱いやすい植物として愛されています。
花は小さなラッパ型や星型の花が多数集まり、球状や傘状を形成し、遠くからでも涼やかな色づきが目を引きます。
品種によって花の形状や色彩、開花時期に差異があり、5月下旬から8月初めにかけて開花するものも多く、その魅力を増しています。
葉は厚みのあるライン型で光沢があり、常緑性と落葉性の二種類があり、株の大きさも様々な品種によって異なります。
大型種は草丈が1mを超えることもあり、小型種は30cm前後と手がけやすいため、植栽の前景と後景を組み合わせやすい植物です。
育て方も比較的簡単で、日当たりの良い水はけの良い土を好みますが、半日陰でも育成可能ですが、根は肉質で水分を保持しやすいので、過湿は根腐れを引き起こす原因となるため注意が必要です。
植え付けは春か秋が適した時期で、春と秋に少量の追肥を施すと成長が促進されますが、耐暑性や耐寒性は品種により異なり、常緑種は温暖な地域に適し、落葉種は寒冷地に向いています。
比較的病害虫に強く育てやすい半面、過湿が続くと根腐れを起こしやすく、ナメクジやカタツムリが新芽や花茎を食害することがあります。
株分けで増やすことができ、数年ごとの株分けで花の付きが良くなるので、植え替えや株分けを計画的に行うことで、より長く楽しめます。
清楚で伸びやかな花姿は和風・洋風どちらの庭にも調和し、通路の脇や花壇の後景、グランドカバーのアクセント、鉢植えや切り花としても利用されています。
育てやすさと季節感豊かな色合いが相まって、庭造りの初心者から上級者まで幅広く楽しむことができる植物です。