キョウチクトウ(夾竹桃)

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キョウチクトウ(夾竹桃)

キョウチクトウ(夾竹桃)は、夏の強烈な日差しの中でも鮮やかな花を咲かせる、美しさとたくましさを兼ね備えた常緑樹です。
地中海地域やインドを故郷とし、日本には江戸時代に持ち込まれ、名前は、細長い竹のような葉と、桃のような花の姿に由来しています。

この植物の最大の魅力は、その「逞しさ」に他なりません。
高温や乾燥、空気の汚染、塩分の影響にも耐えるため、街路樹や公園、工場の緑化など、厳しい条件下でも健康に育ちます。
さらに、病害虫にも強く、管理が比較的容易で成長が早いため、景観作りにとても有用です。

また、夾竹桃は広島の市の花にも指定されています。
原爆投下後、「75年間草木も生えない」と言われた土地で、最初に花を咲かせたことから、「復興と生命力の象徴」として市民に希望を与えたという感動的なストーリーがあります。

ただし、留意すべきはその毒性です。
花や葉、枝、根の全てに強い毒が含まれており、誤って口にすると中毒を招く可能性があります。
特に小さなお子様やペットがいる家庭では、取り扱いに十分な注意が必要です。

それでもなお、夾竹桃が多くの場所で愛される理由は、その圧倒的な生命力と、夏の空に映える美しい花の魅力によるものです。
困難な状況でも凛と咲き誇るその様子は、見る者に元気と勇気を与える存在感です。

ちなみに、キョウチクトウ(夾竹桃)の代表的な花言葉は「注意」「危険」「用心」です。全草に強い毒性があるという植物学的特性から生じた解釈で、英語でも「caution」や「beware」と表現されます。
一方で、厳しい環境でも咲き続けるその生命力から、「再生」や「不屈」といった前向きな意味合いも付け加えられることがあります。
美しさと危険が共存するこの矛盾が、花言葉の深みを生み出し、その目を引く華やかさが「距離感」という知恵を同時に提供していると思います。
 

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